代表者あいさつ

 本研究会は、「農業協同組合の理論的・実践的諸問題を研究討議し、農協運動の発展に寄与すること」を目的に、昭和34年に設立され、これまで半世紀以上にわたって研究会活動を継続して今日に至っています。

 本研究会の特徴は、JA、連合会の役職員と研究者とが一堂に会して、自由な立場で、農協に関わる諸問題を研究することにあります。そのために、理念論にも政策論にも走らず、現場の実態を踏まえて、問題を深くかつ実践的に研究することは本研究会の大きな特徴です。

 本研究会の初代代表者であった桑原正信先生は、農協に勤めるものは農協の実情に通じてはいても農協について深く考えぬく機会に乏しい、行政に携わるものや研究者は農協の現実を知らなさすぎる、だからこそそれらの人々が1つの研究会をつくり、自由な立場で論議することが大事だと、研究会の設立にあたって述べられています。

 また、「上り列車」を仕立てて、現場の声、地方の声を政策に反映させることの重要性を訴えたのも桑原先生でした。「下り列車」の一方通行の観がある昨今、現場に立脚したリアルな農協理論の構築とJA運動実践のあり方を議論することは、とくに重要なことだと考えます。

 私は、平成28年5月に第8代目の代表者を拝命いたしました。ふり返れば、京都大学の大学院生であった昭和53年に、亀谷先生のお誘いで研究会の事務局を担当することになったのが、本研究会とのなれそめでした。それ以来、ずいぶん時間が経過して、JAの姿も大きく変わりました。また、組合員の姿も変わりました。

 協同組合というものは、その理念や仕組みを大事にしながら、社会と組合員のニーズの変化に即した改革を続けることによってしか、その存在価値を維持できません。逆に、適切な改革をなし得なければ、社会的な存在意義を失うかもしれません。

 そのような意味で、JA組織はいま、正念場にあると思います。組合員、地域社会に「あってよかった」と言われるJAであり続けるために、本研究会が多少なりとも貢献できればと思います。みなさまのご支援、ご協力をお願いする次第です。

 

 平成28年5月